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イチ押し ツヨカワ女子レーサー 清水愛海選手 25歳 一級品のターンスピードでファン魅了

©boatrace

転覆、落水乗り越え、デビュー4年余りでA1昇級

 「そのターン回りを見るだけでも価値がある」と、熱烈ファンが多い清水愛海(127期・山口支部)。デビュー4年余り、ついにA1へ昇級する。

 武器は大胆な攻めの走り。とくにターンスピードは女子レーサーの中でトップレベルと評価が高く、最終周回のターンまで、何が起きるかわからない。観客を最後までドキドキさせてくれる注目の逸材だ。

 高校(岩国総合高校)3年の時に進路を考え始めた際、母から「将来ボートレーサーはどう?」と勧められた。母は高岡竜也(119期・山口支部)の両親と知り合いだったのだ。

 その後ボートレースを観戦し、スピードと迫力に魅了された。母子家庭に育ち「高収入を得て母を楽にさせたい」との強い気持ちからボートレーサーになろうと決意した。

 高校在学中にボート養成所を受験するも不合格続き。母の励ましもあり、卒業後4度目の試験で念願をかなえた。

 養成所時代は男子相手にも負けずリーグ戦で2度優勝し、勝率7・12でトップの成績をマーク。ただ、ターンスピードがすごいゆえに、転覆や落水も一番多く経験した。修了記念優勝戦は、インからコンマ09のトップスタートを決め堂々の逃げ切り。6人目の女子チャンプに輝いている。

 デビュー前から「すごいターンをする女子がいる」と注目され、「大物新人現る」「ボート界期

待の新星」と呼ばれたが、やはり転覆や落水に加え、Fも多く成績は伸び悩んだ。

 20年11月2日第7Rのデビュー戦は2周2Mで転覆。ほろ苦い初陣となった。2節目の下関では4走目にフライング。続く鳴門では最終日に転覆と散々。

 年が明けた正月の唐津でも転覆。初勝利は飾れないものの1期でB2をクリアしB1級へ。ただ期が変わった5月の下関でF。続く蒲郡では2度転覆し、直後の尼崎でも転覆。大ケガにつながらないのは不幸中の幸いだろう。

 初勝利はデビューから1年後の11月2日の徳山3R。4コースからトップスタートを決めて鮮やかにマクった。

 その後も師匠の原田篤志(86期)のもとで整備やターン技術を磨き技量も着実にアップ。23年前期はA2に昇級した。

 とはいえFと転覆は消えることがなく24年の前期はB1に逆戻り。ただ前期(5~10月)はFも転覆もつけたが、臆することなく果敢な攻めを見せて素質開花。自己最高の6・36の勝率を残し、来年1月から待望のA1選手だ。

 まだまだ粗さや課題は多いが、トップ選手に交じってどんな走りを見せてくれるか、期待が高まる。

 12月は下関(~13日)、徳山(17~22日)、下関(28日~1月3日)。さらに来年2月に徳山GⅠ中国地区選手権と地元レースが続く。日ごと成長を見せる近況なら初優勝を飾る日も近いし、いずれ大物に育つのは間違いないだろう。