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女子戦の主役たち ここをチェック① 平高奈菜選手 37歳 Fの心配がないときは強い

©boatrace

再度のスランプ乗り越え、大みそかの大一番へ快走中

 女子レーサーの中でもトップレベルの力をもつ平高奈菜(100期・香川支部)。

 ボーイッシュな顔立ち、愛嬌たっぷりの笑顔がファンに受け、男子の一線級が集まるSGオールスターにも8回出場の人気者だ。

 レーサーを志したのは高校生時代。愛媛県立松山北高3年の時に2度目の受験で合格した。祖父がボートレースの大ファンだったが、本人は一度も実戦を見たことがなかったという。

 2007年3月に選手登録。半年後の9月8日鳴門第1Rでプロ初勝利を飾った。その後は順風満帆。デビュー4年目の10年9月の津で初優勝。12月の尼崎も制し、前年の平山智加に続く女子レーサー2人目の新人王に輝いている。

 早くから才能が開花し、20代前半でA1昇級やSG初参戦を成し遂げてきた平高だが、一方で泣きどころはフライング。18年後期(対象期間17年11月~18年4月)に痛恨のF3本。180日のF休みの期間中は引っ越し屋のアルバイトをして生計を立てていたというのは有名な話だ。

 立ち直りも早い。B2を2期続けたが、19年は17優出5Vの大暴れ、A1に昇級と実力を証明。20年には年末の浜名湖第9回クイーンズクライマックスで待望のGⅠ初優勝。優秀女子選手に輝いた。

 翌21年も男子相手のGⅠ丸亀69周年優出2着、福岡第10回クイーンズクライマックス同3着のほかに優勝6回。22年はファン投票6位で選ばれた宮島SG第49回オールスターで女子では4人目となる優出を決めるなど絶好調だったが、再びスランプに。

 歯車が狂ったのは、22年の最終戦の住之江GⅠ第11回クイーンズクライマックスか。優勝戦は前年の第10回大会に続き1号艇を奪取。前年は3着に敗れ連覇を逃しただけに、「今回は何としても優勝」とリベンジに燃えていたが、2コースの田口節子に差され2着。この敗戦は相当ショックだったようだ。

 追い打ちをかけるように、F休みを消化した翌年の23年3月下関でのF。期2本目で60日間の休みが追加。さらに5月の浜名湖でもFと散々。デビュー18年間でF23本は女子選手の中でも飛び抜けて多い。

 しかし、ここにきて再び上昇期に入っている。前期はFも切らず勝率を順調に伸ばし6・71。来期(来年1月~)はA1に復帰する。さらに11月の三国で2年半ぶりの優勝。続く下関GⅡ第11回レディースチャレンジC、さらに丸亀GⅢオールレディースでも連続優出3着とし、賞金はここまで3700万円余りの第7位だ(23日現在)。

 大みそか決戦の蒲郡プレミアムGⅠ第13回クイーンズクライマックスへ8度目の出場を決めているが、まさに因縁の決戦舞台でもある。もともと勝負強さと安定感はトップクラスだけに、Fの悩みがないときの平高は一段と要注目だ。