• TOP
  • コラム

COLUMNコラム

コラム一覧へ戻る

みんなのボートレース学校㉒ スタート無事故20年以上!

小野勇作選手(©boatrace)

連続回数記録を持っているのはどんな選手?

 ボートレースにつきもののアクシデントが「フライング」だ。

 ブレーキが付いておらず、水面で静止することができないボートは、加速しながらのスタートとなり、それが面白さのひとつといえるが、スタートラインを通過する際、大時計が0秒を指すよりも早いタイミングでラインを越えてしまうとアウト。とはいえ、勝敗を大きく左右するため、ぎりぎりのタイミングでスタートしようとして、フライング事故を引き起こしてしまうのである。

 ひとたびフライングを起こすと当該選手には事故点20点が科せられ、その節の優勝戦、準優勝戦、選抜戦などの賞金が高い賞典レースから除外される他、フライングの回数によって1回=30日、2回=90日、3回=180日のフライング休みが付加される厳罰に処される。というのも、その選手に絡む舟券は全て返還になり、ファンにも主催者にも大きな迷惑を与えるからだ。ちなみに、過去における最高返還額は2002年6月30日、宮島でのSG「第12回グランドチャンピオン決定戦」優勝戦の24億3513万3800円。人気を集めた1号艇、2号艇がフライングしたことによって総売り上げの92・8%が返還を余儀なくされるというとんでもない事態になった。

 一方、フライングを約22年間一度もせず、スタート無事故連続回数の最多記録を持っているのが1994年のデビュー以来今も現役で頑張る河合三弘(愛知)。99年3月14日の徳山12レースでフライングを喫してからコツコツ積み上げた記録は5959走。21年12月27日の江戸川4レース、2コースの河合はコンマ01の痛恨のスタートミスで前人未到の6000走を目前にしながら涙をのんだ。

 これまでに5000走を記録しているのは5人。その中で河合と2位の森実(5782走・徳島・引退)にひたひた迫っている現役選手がいる。04年9月17日の大村11レースでフライングをして以来、今年2月18日時点で5430走を数える小野勇作(佐賀)だ。

 99年にデビューした小野はこれまでに優出148回、優勝18回を記録、現在はB1級ながら選手生活のほとんどをA級で送ってきた実力派。23年2月に5000回を達成した際には「そんなに自慢できる記録ではない」との謙虚なコメントを残した小野だが、決してそんなことはない。堂々と胸を張っていい記録だろう。23年には206走、24年には219走している小野だけにこのままいけば26年には河合を抜き、6000走に達するはず。そんな小野の走りに注目したい。