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イチ押し ツヨカワ女子レーサー 森下愛梨選手 28歳 芸能界もめざした〝イケメン女子〟

女性のファンも多い森下愛梨選手(©boatrace)

8年目で初優勝。課題のスタート力克服でA2見えた

 カワイイというよりボーイッシュさが売りの“イケメン女子”レーサーが森下愛梨(120期・静岡支部・28歳)だ。小学校4年から高校(私立磐田東高校)3年までサッカーに打ち込み将来はプロも考えていたが、「他にうまい選手がたくさんいた」ことであきらめた。また芸能界にも興味があり、オーディションを受けたが、「踊りや歌が下手」のため「これは違う」と断念した。

 進路について考えていた時に、母の知り合いのボートレーサーの佐藤旭選手と木村沙友希選手と一緒に食事。その時にボートレースという存在を知った。

 これがきっかけで浜名湖へレース観戦。「めちゃくちゃカッコいい」と胸に焼き付いた。早速ボートレーサー養成所を受験するも2度不合格。3度目に40倍の難関を見事突破した。

 初出走は2017年5月17日の浜名湖1Rで6着。その後も試練が続いたが、19年1月27日の浜名湖1Rで、カド4コースからコンマ07のトップスタートを決めてマクリ快勝。275走目にしてうれしいプロ初勝利を飾った。

 師匠は長嶋万記(91期)。ボーイッシュなところは非常に似ている。長嶋は一般社団法人ZEROの代表を務め、社会貢献活動で活躍。森下も「BIG SMILE4984」というブランドを立ち上げマグカップ、トートバッグ、フェースタオル、Tシャツ、ポーチなどを販売。売り上げの半分を児童養護施設に寄付している。

 B1暮らしが12期続いていた前期。8月の丸亀で通算3度目の優出を決め、V戦1号艇という大きなアドバンテージを得た。スタートは持たせたが、「緊張しすぎた」ことで1Mオーバーターン。2コースの佐々木裕美に差され万事休すと思われたが、2周1M渾身のツケマイを決め逆転。苦しい展開にもかかわらず8年目にして念願の初優勝をもぎ取った。

 課題はスタート力で、平均がコンマ20前後とかなり遅かったが、今期はコンマ18と攻めている。その効果が表れ、勝率を5・17まで伸ばし、A2昇級が見えている。

 今期の最終戦は鳴門ヴィーナスシリーズ第3戦(25~30日)。A2をかけ、勝率アップへ全力で臨む。さらに4月9日、うれしい知らせが飛び込んだ。常滑GⅡ第10回レディースオールスター(5月13~18日)で日高逸子が欠場。補欠上位の森下が繰り上がりで初出場を決めた。GⅡ以上の舞台は初めて。活躍が楽しみだ。