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イチ押し ツヨカワ女子レーサー 宮崎安奈選手 26歳 プロバスケ選手から転身。成績も人気もうなぎ上り

©boatrace

姉は東京五輪銀メダリスト、兄はプロサッカー選手

 経歴が異色で、プロのバスケットボール選手からボートレーサーに転身したのが宮崎安奈選手だ。

 小学校4年からバスケを始め、高校は強豪として鳴らす福井県の足羽高校に進学。卒業後は女子プロバスケットの新潟アルビレックスBBラビッツに進んだ。

 兄はプロサッカー選手の宮崎泰右。姉は同じバスケの東京オリンピック銀メダリスト・宮崎早織(WリーグENEOSサンフラワーズ)という華やかなスポーツ一家でもある。

 ただ運動神経抜群ながら、安奈は身長が155センチとWリーグの中で一番低かったためバスケでは限界を感じていた。「2年間プレーし、ここらで区切りをつけてもいいかな」と思い、選手引退を決めた。

 引退後は少し休んでから、普通の社会人生活を送ることを考えていた。そんな時、父親から「背が低くてもできるボートレースに挑戦したらどうか」と勧められ、兄と姉も背中を押してくれた。

 ボートレースはほとんど知らない世界で戸惑いもあったが、「違う世界でもう一度頑張ってみよう」と気持ちを切り替えレーサーへの道へ挑戦。

 スポーツ推薦ということもあったが、20倍近い難関を突破し128期に見事合格。

 21年5月21日の戸田2Rでデビューしたが、いきなり落水。さらに3日目1Rではフライングと散々の初陣となった。

 なかなか勝てないジレンマの中、姉は東京オリンピックで銀メダルを獲得。「自分も頑張らなきゃ」と思う日々が続いたが、初勝利は翌22年の6月9日多摩川第9R。カド4コースから一気にまくって念願をかなえた。

 これを境に成績も上昇。プロレーサーとしての自覚も芽生えてきた。さらにかわいいこともあり、人気もうなぎ上りだ。

 実戦を重ねるごとにターンスピードに加え、スタート力もアップ。期末最終戦(4月19~24日)の津では②③②④④②着の安定した成績で予選突破。準優は3着に敗れ初の優出は逃したが、最終日も③①着と好走し、前期(24年11月~25年4月)は自己最高の勝率4・60をマークした。

 今後の課題はイン戦。16戦(直近6カ月)5勝、2着3回はいかにも物足りない。インで勝ち切るレースが増えれば成績も自然と上向くはず。

 新期(5月~)は下関(5月7~12日)からスタートし、次は大村(19~24日)。初優出、初優勝をめざし奮闘を続ける。