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村上ショージの「根がホンマ好きなんですわ、ドゥーン!」① 横山やすし師匠とボート場でバッタリ。「オウ、吉本のか。金貸してくれ」言われて……

僕の師匠は5000万円使てたお坊さん

 ボートレースのブームがますます勢いづいて、タレントの動画配信なども増え続けている。そんな中でも吉本芸人の中で筋金入りのボートファンといえば、村上ショージさん。ボート談議も無類の面白さ。満を持して、ラスボスが降臨!


 僕がボートレースを始めたのは野中和夫、安岐真人、長嶺豊、福永達夫といった1980年代、90年代に活躍していたボートレーサーがいた時代ですからね。

 舟券を買うようになったのは40年以上も前です。その頃は仕事もそんなになくて、小遣いを少しでも増やそうと思って行っていたのが始まりです。

 僕がボートにのめり込んだのは、当時出会うたお坊さんの存在が大きい。ボートが大好きで、僕の先生。ガラケーの前の時代、重たい大きな箱みたいな携帯電話を持ってはった人でね。「ショージ、何してんねん」と電話してきて、「行くで!」言うて。何人かでついて行くと、必ずお小遣いをくれる。3万円とか。それで「遊んどけ」って。

 一緒に行った芸人は1万か2万使うて、残しておいたみたいやけど、僕は根が好きなんでしょうね。もらった分、全部使うて、負けてしもうて。でも、メシ代もいらんしね。後で先生が寿司とか、お肉とかに連れて行って、全部、出してくれはるから。

 先生はすごかったですね。ビックリするほど舟券を買うてました。10万、20万、いや1レースに100万円とか。

 見た目や勘で買ってたかな。ある時なんか、舟券取って「あと3万円で1000万円やった」なんて言うてました。換金するのに並んでたら、後ろに並んでいたおばちゃんが「うわー、私にもちょうだい!」なんて騒いでたりしてね。先生は「誰がやるか」言うて(笑)。

 鳴門に連れて行ってもらったこともあった。温泉泊まってごはんも食べて、「ほんならボート場に行こか」って、1Rから出かける。「6・4倍、おいしいな。ショージ、買うてくるわ」と言って、1点にドンと100万円。パンパカパーンとスタートのファンファーレが鳴るでしょ。

 その時にオッズを見たら、半分の3・1倍になってた。

 先生が首をひねりながら、「これ、どういうことやねん」て。「一気にオッズが下がったんは、先生が100万も買うたからでしょ」と僕。鳴門で朝の1Rから誰がそんなに買いますかいな。

 しかも、それが外れてパー(笑)。先生、「どういうこっちゃ」って怒ってましたけど。

 こんなこともありました。開催の間ずっと通って、トータルで5000万円負けたこともあった。まだ3連単じゃなく、2連単の時代です。

ボートでも〝伝説〟だった横山やすし師匠

あわてて靴下の中にお金隠して、「師匠、5000円だったら」

 僕ら来賓席にいたら、横山やすし師匠がいたことがあります。「ウワッ、やすし師匠が来てるわ」言うてたら、「オウ、おまえ、吉本のか」とやって来て、「悪いけど、ちょっと金貸してくれ」って。持ってるの、わかったらアカンから、靴下の中にお金、隠して。「師匠、5000円しかないんです」言うたら、「オウ、悪いけど、それ貸してくれ」言うて。「エーッ」言ったら、「取ったらな、すぐ返す」みたいなこと言われて。やすし師匠、①②、①③、①④、①⑤を買って「どれ取っても返す」て言うてたけど、その時は①が飛んで結局パー。返してもらえんかった(笑)。

 でも、師匠は本当にボートが好きでしたね。舟券買うよりボートに乗る方が好きやったんやないかと思いますね。レースに出て、劇場に遅れてきたとかもあった。ある時、楽屋から師匠の声が聞こえてきました。韓国でボートのレースがあったそうです。相手のボートにぶつけたら「クレージー!」と言われたらしいけど、「じゃかましいわ、アホ」と言いながら、「1着取った」って言うてました。

 師匠、ホンマにむちゃくちゃやったな。ドゥーン。

 =つづく

 (聞き手=峯田淳)


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前売り:4000円(FANYチケット)