• TOP
  • コラム

COLUMNコラム

コラム一覧へ戻る

村上ショージの「根がホンマ好きなんですわ、ドゥーン!」③ 夢と消えた! 第19回SGグランプリの500万円

一番の名勝負 第10回賞金王決定戦で優勝した植木通彦におごってもらえなかった思い出

 ボートレースの名勝負といえば、やっぱり一番は1995年の賞金王決定戦かな。

 住之江で行われた第10回賞金王決定戦(現SGグランプリ)。モンキーターンの植木通彦と中道善博のボート史上に残る伝説の死闘、名勝負です。

 植木⑤号艇、中道①号艇やったな。植木が前付けに出て、内から①⑤でスタートして1周2マークで植木が逆転して⑤①になり、2周1マークで今度は中道が逆転、3周1マークで植木が前に出て⑤①でゴールしたレースです。2連単の時代で1280円やった。もちろん、僕はこれを取りました。

 帰りは、知り合いだった植木さんを新大阪駅まで送って行った気がしますね。ほいで植木さんが「メシ行きましょうか」いうので、賞金6000万円もろたから、ぎょうさんおごうてくれるのかなと思うたら、おごってくれなくて。なんで俺が出さなアカンねんと思いながら食べた記憶があります(笑)。

 もうひとつはやはり住之江で行われた2004年の第19回SGグランプリ。僕は上瀧和則はあまり買わないんやけど、この時は③上瀧を買うたんです。上瀧はカドの4コースからスタートして1マークでマクった。これで③、⑥田中信一郎、④浜野谷憲吾、③⑥④の態勢になった。ヨッシャと思って、手が震えてましたわ。ところが、2周1マークで風が強かったんもあるけど、上瀧が外に膨れ、田中が内を突っ込んで逆転した。僕の③⑥④が……。「おえっ、上瀧、何やってんのや」と叫んでましたね。

 結果は⑥③④で5万円台の大穴。①植木、②今垣光太郎もいたから、僕の③⑥④でも大きな配当やった。確か10万円くらい買うてたかな。来たら500万円くらいになってました。12月23日やったのかな。もうすぐ正月やしなと思たら、悔しくて悔しくて。上瀧選手には悪いけど、あれから嫌いになりました(笑)。

①中道善博と⑤植木通彦。伝説のデッドヒート(1995年12月24日)

ずっと万舟狙いやったけど、今は取りガミでも買います。長くやりたいからね。

 ボートの選手とはいろんなきっかけで知り合うことが多いですね。最初は滋賀の吉川昭男君。そこから広がっていった。吉川君は息子さんの晴人君も129期のボートレーサーです。引退した中西宏文君もいろんな人を紹介してくれました。西山貴浩君は面白いね。この前、新幹線の中でバッタリ会うて。彼は選手を集めてポンコツ会いう飲み会をやって、ボートレース界を盛り上げているみたい。若い女性にキャーキャー言われるタイプじゃないけど、オッサンには優しいね。

 僕は基本、中穴狙いやけど、今は取りガミみたいなのも取ります。昔は万舟を狙ってました。

 でも、それをずっとやってたら、終わってしまうからね(笑)。そんなん買って、勝ってるヤツ見たことないわ。「今週の高額配当」なんて番組でやってるけど、20万円舟券なんて、よほどのことがないと取れないじゃないですか。

 僕が取ったんは最高で4万、5万円。専門紙を見て自分でレースを組み立てて予想をする。今日は風が強いな、スタート(練習)で出遅れていたな、F(フライング)持ちやなとかいろいろ考える。そういう読みがパンとハマって当たった時は気持ちいいですね。

 行くなら4日目とか準優がある5日目とか、データがそろってからの方がいいけど、2、3日目になるともうソワソワして、どんな感じか頭に入れておこうかなと出かけたくなる。それで準優の前にスッカラカンになって。ホンマ、好きなんですわ。でも、僕は負けてもまた頑張ろうと思うタイプやから心配せんといてね、ドゥーン! =おわり

 (聞き手=峯田淳)