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イチ押しツヨカワ女子レーサー 寺田空詩選手(129期・山口支部) イン戦に安定感。A2入りも見えてきた21歳

©boatrace

父・寺田祥、姉・夢生と地元で対決も

 言わずと知れた父親はあの寺田祥。SG2V(若松第63回メモリアル=2017年、下関第66回メモリアル=20年)、GⅠ10Vの実績がある山口支部を代表するレーサーだが、そんな父の背中を見ながら育ったのが3姉妹の末っ子の空詩(くう=21)。

 高校(私立野田学園)1年の冬、徳山レース場で父が操縦するペアボートに試乗。これをきっかけにボートレーサーを志し、129期を受験すると一発で合格した。

 20年10月に養成所に入所し、21年9月に無事卒業。デビューは同年11月の徳山。

 胸躍らせ臨んだシリーズだったが、9戦オール6着とプロの洗礼を受けた。

 3節目の下関正月シリーズでは父と同時斡旋。直接対決はなかったものの最終日7Rでは3着に食い込んだ。優勝を飾ったのは父。娘の前で実力を存分に見せつけた。

 その後も勝てない日々が続いたが、22年12月16日の鳴門5Rで大外から最内を差し伸び、2周1Mで内の4号艇を強ツケマイ。179走目にしてうれしいプロ初勝利を飾った。

 この勝利を境に成績もアップ。デビュー3年目の23年は11勝をマーク。同時に人気も急上昇し24年には宮島GⅡ第9回レディースオールスターにファン投票43位で初出場。5日目3Rでは3コースからマクリ差しを決め勝利をものにした。

 勝率も4点台に乗せ「さあ、これから」と意気込んだのもつかの間、落とし穴が待っていた。8月の下関と徳山で連続F。さすがに期間F2本は落ち込んだ。

 90日間の休みが明けてもFが先行する苦しい流れだったが、25年後期(24年11月~25年4月)は何とかB1をキープすることができた。

 気分一新。5月はボートレースの期変わりだ。4月には姉(次女)の夢生(むう=23)が136期生で選手登録し、5月の徳山でプロデビュー。これもいい刺激となり、5月と6月の下関では準優に進出。今期(5月~)の勝率は5・64とA2ラインに乗せている。

 スタートにも鋭さを増し、イン戦(25年1月~)では13戦8勝、2着1回、3着1回とかなり信頼できる。今後の課題はセンター、アウト戦。ここで着をまとめることができれば勝率はさらに伸びるはず。

 8月は地元の徳山(10~15日)のお盆レースに出走。ここは父と姉も参戦する。3人が同じレースを走ることはないと思われるが、楽しみなシリーズとなりそうだ。