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みんなのボートレース学校㉗ 前職が意外なボートレーサー

青木蓮選手(©boatrace)

東京メトロの駅員だった若手のホープ

 約1600人いるボートレーサーの平均年収は約1900万円。トップクラスともなれば1億円を超え、しかも他のプロスポーツに比べて長く活躍できるメリットもある。

 そのため、以前は14歳以上21歳未満だった養成所の入学資格年齢が15歳以上30歳未満に変更されたこともあってか、一度別の職業に就いてからボートレーサーに転向した選手も少なくない。

 例えば、高校を卒業後、東京メトロに就職、永田町駅で駅員をしていたのが青木蓮(A1・埼玉)。毎日多くの人が行き交う都心のど真ん中の駅だっただけに「いろいろな人がいて人間観察をしていました。楽しかったですよ」と当時を振り返るが、それでも何か物足りず毎日モヤモヤしたものを感じていた青木は母親の勧めでレーサーへと転身した。実家の近所にあったボートピアでレースをしていると思っていたほどボートのことは何も知らなかった青木も2021年11月にデビューし24年6月に優出2度目で初優勝。今や若手のホープの一人に成長している。

ピアノ調教師から転身の三浦敬太選手(©boatrace)

公認会計士の職をなげうって

 国家資格の中でも難関といわれる公認会計士の資格を取得、監査法人に勤務した後、未知の世界である艇界に飛び込んできたのが渡辺雄朗(A1・東京)。

 法政大学時代に資格を取得、念願かなって公認会計士としてスタートした渡辺だったが、小さな規模の監査法人だったために待ち受けていたのは新人のキャパを超えた連日続く過酷な業務。さすがに心身ともに疲弊してしまったのだという。そんな時、趣味で通っていたジムで知り合ったトレーナーがオートレーサーを目ざしており、それがきっかけで同じ公営競技のボートレースを知ることに。そして実際にレースを見た渡辺はすぐに養成所の入所試験を受けることを決意、猛反対する両親を「挑戦は1回だけ」と説得し、まさに背水の陣で試験に臨んだ。結果は見事合格。13年5月多摩川でデビューした後は現在までに10回の優勝を数えるA1級レーサーとして第一線で活躍している。

 前職が異色のボートレーサーはまだいる。高校を卒業して河合楽器製作所の調律師養成所に入所後、ピアノ調律師として4年間働いていたという三浦敬太(A1・東京)だ。

 3歳からピアノを始め、高校卒業時にピアノに携われる仕事がしたいと調律師を選んだのだという。

 ところが調律師になって2年が経った頃、仕事は楽しかったが、大卒とは給与面で大きな差があり、このまま定年まで続けていていいのかと考えるようになってしまったそうだ。

 そんな不安を感じていた時、三浦が見つけたのが実力次第で高収入が得られるボートレーサーの仕事。11年、23歳の時に養成所に入所し、110期生として翌12年にデビューして以来、稼いだ賞金は約1億3800万円。

 これからもまだまだ稼げるだけに、転職は大正解だったようだ。