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コラム一覧へ戻る公開日
2026年02月26日
18:57
更新日
2026年02月26日
18:57
みんなのボートレース学校㉘ ボート界の高学歴レーサー
藤田康生選手(©boatrace)
注目のルーキーは国立・名古屋大の現役大学生
去年11月、常滑でデビューした藤田康生(静岡)は父親が藤田竜弘、叔父夫妻が藤田靖弘・鈴木成美というボート一家であること、137期のボートレーサー養成所チャンプに輝いたこともさることながら名古屋大学法学部に通う現役大学生であることでも注目を集めているレーサーだ。
静岡県内でも有数の進学校・県立浜松北高から現役合格。名古屋大学法学部の偏差値は65~66。本人の努力はもちろん、もともと秀才だったのだろう。1月28日現在まだ勝利こそ挙げていないものの積極的なレース運びで連には何度も絡んでおり、今後が期待される逸材だ。
藤田以外にもボート界には高学歴のレーサーがいる。藤田同様、国立大学組といえば広島大学工学部から同大学大学院に進学した110期の森永隆(A2・山口)だ。森永は船を造る勉強をしている中で流体力学を学んでいるうちにボートレースに興味を持ち、造るほうから乗るほうへ。23年前期から3期連続でA1をキープ、持ち前の鋭いスタートを武器に23年には2度の優勝を飾るなど結果を残している。
松本純平選手(©boatrace)
早大時代、「マクール」でアルバイト
一方、私学の雄、早稲田大学を卒業したのが123期の松本純平(A1・埼玉)だ。兵庫県出身の松本は神戸大に合格しながらも、将来はテレビ局のディレクターになりたいと上京を決意し早大人間科学部へ。大学入学時はボートのボの字も知らなかったが、入ったサークルで先輩から代々受け継がれてきたアルバイト先がボートレース専門誌「マクール」の編集部だったのだ。戸田で初めてボートレースを見た松本は一発でその魅力に引かれ、テレビ局のディレクターになる夢を百八十度転換し、養成所の門を叩くことに。晴れてプロレーサーとなった松本は藤田同様、レーサーと学生の二足のわらじで活躍。23年3月に大学も卒業している。
さて、学歴といえば、異色のレーサーがいる。1984年のデビュー以来、還暦を過ぎた今も第一線で活躍、通算勝利2500勝、通算優勝120回、24場制覇など数々の記録を打ち立てている江口晃生(A1・群馬)だ。
2000年代初頭、来場者や売り上げの減少で廃止が取り沙汰されていた桐生競艇場(当時)の危機を憂えた江口は09年、何とか現状を打破しようと一念発起し早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程1年制マネジメントコースに進学。選手を続けながら膨大な資料を読み込むとともに業界関係者への聞き取り調査を実施、翌10年には「競艇界のさらなる発展に向けた改善策に関する研究」と題した論文を提出して無事修了した。
論文の中で江口は、当時だれも考えていなかったファンサービスの重要性やボートのスポーツとしての認知向上、レースの質を高めるための選手の待遇改善などを訴えた。現在その多くが実現されているだけに江口の功績は大きい。ちなみに論文はその年の優秀論文賞を受賞している。