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コラム一覧へ戻る公開日
2023年11月29日
07:00
更新日
2023年11月27日
18:44
グランジ大さん(中)博多華丸師匠から「何やってんの?」「休み?」とお誘いが…

妻の椿鬼奴さんと(提供写真)
前回はグランジの大さんと妻でピン芸人の椿鬼奴さんとの「夫婦ボート」を取り上げた。今回は大さんがボートレースを始めたきっかけだ──。
◇ ◇ ◇
僕は秋田出身です。ご存じかと思いますが、秋田にはボートレース場がありません。初めて知ったのは17歳の時。秋田市にボートピア河辺という場外舟券売り場ができました。当時はもちろんユーチューブはありませんから、テレビCMでレース映像をたまに見るくらいでした。
忘れもしないのは地上波で放送された98年の新鋭王座戦、今のヤングダービーです。市川哲也選手が3コースから鮮やかなまくり差しを決めて優勝しました。ルールとかわからなかったけど、あの時の市川選手の強さはもう感動ものでした。僕をこの世界に引きずり込んだのは間違いなく、市川選手です。今は恨んでます(笑)。
■初購入の舟券が“仙人”のおかげで16万円に
舟券が買えるようになってからは河辺に父親と出かけました。2連単、2連複の時代でしたが、初めて買った舟券が16万円になりました。実はボートピア河辺には舟券がめちゃくちゃ当たる白い顎ヒゲをはやした80歳くらいの老人がいました。みんな「仙人」と呼んでいました。2連単で2、3点教えてくれた買い目がよく当たる。しかも、高配当。その時も仙人の舟券が大当たりでした! あの時は即行で欲しかったものを買いに行って、友だちとメシを食いましたね。
東京のNSC(吉本総合芸能学院)に入ってから芸人仲間とよく出かけたのは、平和島ですね。今はフリーで芸人をやっている、すーなかさんとかと一緒に。その頃は、お金がないじゃないですか。引っ越そうとするとお金が足りないわけです。15万円かかるのに、手持ちが6万円、9万円足りないとか。そんな時はやるしかないですもんね(笑)。引っ越し費用だけでなく、あわよくば、お小遣いももらえるんじゃないか? なんて。ジャスト・ドゥ・イット! でも僕の場合、切羽詰まった時って不思議と成功するんですよね。

グランジの大さん
吉本の芸人は東京組がボート派
吉本芸人はギャンブル好きが多いです。ボートレースはどちらかというと西日本の方が盛んだから、大阪の芸人が好きというイメージがありますが、実は逆で、彼らはほぼほぼ競馬です。
むしろ東京の芸人にボート好きが多い。マヂカルラブリーの村上、双子の漫才師コンビのダイタク、ネルソンズの岸(健之助)、LLRの福田(恵悟)、相席スタートの山添(寛)、すーなかさん……。
それからなんといっても博多華丸師匠。師匠は番組が終わって、どこかでレースをやってたりするとテレボートで買ってます(笑)。
華丸師匠から朝10時くらいに「今、何やってんの?」「休み?」と電話がかかってきたりするんですよ。わが家で一緒にユーチューブでレースを見ながらテレボートをやってることもあります(笑)。
ボートの仕事は、以前平和島でイベントがあった時に僕のボート好きを知っている会社の人が仕事を入れてくれたり、他でもイベントや予想会のMCの仕事とかを20代後半からやらせてもらっています。コロナになってボート界がユーチューブ配信するようになってからは、各場に呼んでもらうようになり、どうにか生きていけるようになった。僕は専業主夫をやりながらお笑いをやってるってことになってますが(笑)、最近はボートの仕事の割合が96%、フルスイングでやってます。
(聞き手=峯田淳/日刊ゲンダイ)
▽グランジ 2005年に結成したお笑いトリオ。メンバーは大、遠山大輔、五明拓弥。大:1980年、秋田県出身、妻はピン芸人の椿鬼奴。遠山:79年、北海道出身。五明:81年、千葉県出身。