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女子王国福岡シリーズ(2)現役最年長の日高逸子選手、獲得賞金11億円を超える

60歳で優勝も(提供写真)

 女子レーサー38人を抱える大所帯の福岡支部。土地柄なのか男女を問わず酒好きが多いが、中でも酒豪として鳴らすのが福岡支部を支える日高逸子(56期)。「グレートマザー」の異名を持ち、10月7日に62歳を迎えた現役最年長の女子レーサーだ。


 高校を卒業後、信用金庫に就職したが、1年で退職。その後、東京へ行き製菓学校や旅行専門学校に通ったり、旅行会社や喫茶店で働いたりしていた。そこでボートレーサー募集のテレビCMを目にし受験。


 山梨県本栖研修所で1年間の訓練を経て、1985年3月24日に選手登録。それから38年間、ボートレース一筋に突っ走ってきた。


 4年後の89年の多摩川第2回レディースチャンピオンでGⅠ初制覇。その後結婚、2人の子どもをもうけた。そして05年の大村第18回大会で2度目のV。まさに母は「ツヨシ」を実証した。


 01年からA1級を続け、08年後期はA2に落ちたが、1期でA1に復帰。20年後期まで12年間(24期)連続A1。14年には住之江GⅠ第3回クイーンズクライマックスを制した。


 順風満帆かに見えたが、落とし穴が待っていた。20年にF3本の大失態。180日間の出場辞退となった。


 復帰したのは21年2月の鳴門。最下級のB2発進だが、いきなり優出5着と実力を証明した。


 A1に向け再始動。トレーニングを積んでいたが、またまた悪夢が襲った。同年の夏に子宮に異常が発覚し、開腹手術で子宮を全摘出。幸い良性だったことで事なきを得た。還暦に近づいていることから体力的にも衰える時期だったが、そこから這い上がる精神力は半端ではない。


 22年の3月の尼崎では女子最年長の60歳5カ月で優勝。通算勝利2474(10月5日現在)。通算優勝76回。生涯獲得賞金は11億円を超え、すべてにおいて女子レーサーではトップだ。


 今月上旬の福岡で優出(4着)し、今期の勝率も6.24にまで上昇。A1のボーダー(6.20)は超えたが、油断は禁物。現在出走中の平和島と、次の戸田(10月28日~)でさらなる勝率アップを狙う。


 彼女のブログ名「私は あきらめない」が、ボート人生のすべてを物語っている。