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ボートレース住之江(前編) 住之江はなぜ「聖地」と呼ばれるのか

GP特設コーナーには、ゆかりの実物ボートが

 聖地──。「神聖な土地。神・仏・聖人などに関係ある土地」と広辞苑にある。広義では富士山、甲子園球場など神聖視された自然の場所や、人為的に聖化された区域などもそう呼ばれる。そしてボートレース界で聖なる場所として認知されているのが住之江だ。


 開場は1956年。人気、売り上げ、入場者数とも24場のうち常にトップクラスを誇り、年末のボートレースの祭典「SGグランプリ」が数多く開催されていることなどが聖地と呼ばれるゆえんだ。グランプリ(GP)は今年38回目を迎えるが、そのうち今年度を含めて31回を開催。まさに聖地。若手、中堅、ベテランを問わず、選手たちの憧れのレース場となっているわけだ。


 メインゲートを通り抜けると、すぐにGPの特設コーナーが目に飛び込んでくる。中央には2019年の第34回大会で、地元の石野貴之が制覇した時の実物ボートが誇らしげに鎮座。その周囲には今年のSG、GⅠ覇者たちの写真が飾られ、獲得賞金ランキングの順位がひと目でわかるようになっている。


 優勝賞金1億1000万円のGPの出場条件は、11月下旬のSGチャレンジCの終了時点でランキング上位18人に入ること。特設コーナーを囲むファンたちはランキング表を見ながら「3位の石野は出場に当確。2度目のVや」「峰竜太はここまで(蒲郡ダービー前まで)SGに出られてないのに7位とは。さすがやで」「イケメンの篠崎元志が圏外から圏内に入ってきよったわ」と、毎日変わる順位に一喜一憂だ。

“聖地”の正門

早くもボートレース界の最高峰「SGグランプリの高揚感」が充満

 施行者サイドも「住之江では2年ぶりの開催となるので、ファンと一緒になって最高峰のレースを盛り上げていきたい」と気合満々。6月に早々とGP特設サイトをオープンし、本場やHPでサポーター登録をしたファンに抽選などでGPオリジナルグッズをプレゼントする企画も展開している。


 開門直後の1R。同行した本紙・大阪営業担当の通称ボート君が「よっしゃあ、ゲット~」と満面の笑みを浮かべてガッツポーズ。このレースは1号艇・岸蔭亮と、ただ1人A級の3号艇・村上純が人気。小遣いが少なく手広く買えないボート君は1着を③、2着を①に固定し、3着に②⑤⑥をつける3点買いで勝負。これがズバリ的中の③①⑥。2720円の好配当だった。


 そんなボート君が払戻金をギュッと握り締めて向かった先は……。