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コラム一覧へ戻る公開日
2023年12月15日
07:00
更新日
2023年12月19日
09:48
ボートレース住之江(後編)2人の異色アクアコンシェルジュ

アクアコンシェルジュの片上渚月さん(右)と白石実帆さん
ボートレース住之江はインが強いことで定評がある。取材日の一般戦1R。同行した本紙・大阪営業本部の通称ボート君はインの1号艇をあえて2着に落とし、③①⑥2720円をゲット。払戻金を握り締め、競歩のごとく向かった先が「フードコート勝」だった。
「一杯やろう。おごるよ」とボート君。生ビール(480円)で祝杯をあげ、つまみに名物のホルモン(450円)を注文。ここは5月1日にオープンしたばかりだが、小宮幸治店長(66)は改修前の食堂でも腕を振るっていた。だから人気の味は全く変わらない。
「広いから入りやすくなったと評判でね。ホルモンは豚の心臓と牛の腸を使い、特製ダレをかける。味は普通、中辛、辛口の3種類。どれも自家製だよ」
払戻金でビールを飲み、ご当地グルメを堪能するのもボートレースの醍醐味だ。

ホルモンは豚の心臓と牛の腸
女子レーサーの夢破れる
本場内では、かわいらしいユニホームを身にまとった若い女性によく出会う。ゲートでファンサービスのお菓子や出走表を手渡したり、総合インフォメーションで困り事などを受け付けたり。来場者案内や誘導、イベントのアテンドなどを笑顔で務めるアクアコンシェルジュたちだ。そのうちのひとりが片上渚月さん(26=写真右)。
「仕事をするきっかけは家がここから近かったので。子どもの頃はこの大きな建物がボートレース場とは知らず、母は『造船所かしらねぇ』と。なので大きな船を造っているんだなあと思いながら、でもどうやって海まで運んでいくのかなと不思議でした」
純真無垢な少女だったんだろうな。推しレーサーは岡山支部の土屋南。「美人だし、初勝利がここ住之江。私と生年月日が一緒なんですよ」とうれしそうに話した。
もうひとりの白石実帆さん(21=同左)は、世が世ならボートレーサーになっていたかもしれないほどのボート好きだ。
「レーサーをめざして最終面接試験までいったんですよ。でも、2回も落ちてあきらめました。女子初のSGウイナー、遠藤エミさんのような選手になりたかったんですけどね」
4泊5日で受験した福岡県「やまと学校」の最終会場には130期の村田佳奈子、今年デビューした南彩寧がいた。
「会えば今も手を振る仲。頑張ってほしいですよね」
自らの夢を2人に託し、陰ながら応援する白石さん。その思いはしっかりと伝わっていることだろう。