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コラム一覧へ戻る公開日
2023年12月18日
07:00
更新日
2023年11月27日
19:51
真中満さん(中)1号艇を中心に、負かす選手がいるかいないか突き詰めます

真中満さん
2015年、監督としてヤクルトを14年ぶりの優勝に導いた真中満さん。厳しいペナントレースを勝ち抜くためには緻密な戦術があったはずだ。そんな真中さんが実践している舟券作戦とは……。
ボートをやる人って誰しも展示タイムを重視したり、その日の出目にこだわったりとその人なりの舟券作戦を持っているじゃないですか。その点、僕はまくったり、まくり差したり外から果敢に攻める選手が好きで、そんな選手がいるレースは荒れそうな予感がして予想をしていても楽しいですし、できれば穴を狙いたいのですが、やはり舟券の買い方は基本的には1号艇を中心に考えます。イン逃げが決まるのか、1号艇の選手と勝負できる選手はいるのか、誰がアタマから行けるのかというところから考えて、そういう選手が見つからなければもう一度1号艇に戻って考える、基本的にはそんな考え方ですね。
僕の現役時代の背番号は31。だから、やり始めの頃はどんなレースでも③①を必ず買っていました。でも、それをやり出すとキリがない(笑)。最近は逆に語呂では買わないようにしていますね。
まだ記憶にも新しい去年の白井英治さんが優勝したグランプリ、優勝戦の日にYouTubeに出演した僕は3連単①⑥全の買い目を予想して①⑥④6530円を取りました。僕の誕生日が1月6日なのでそれで当たったと思った人もいたみたいだけど、そうじゃない。優勝戦って堅ければ堅いほど①②、①③から売れていくイメージなので内側がごちゃごちゃした時の5号艇、6号艇の差しというのが意外とオッズがつくので①⑤、①⑥はよく狙う目。あの時はそれがうまくいきました。
僕が昔からボートにハマっていることを知った人は必ず「これまでに一番大儲けしたのはいくらぐらいですか」って聞くんです。でも、僕は1レースで買うのは2000円か3000円ほどなので、皆さんがビックリするような大勝ちをしたことはなくて、せいぜい20万くらいまで。自慢できるような大勝ちをした記憶はないです。その代わり、大魚を釣り損ねたことは何度もあります。その中で一番悔しかったのが2004年12月の賞金王決定戦。その頃、僕は前年賞金王になった田中信一郎さんがすごく好きでずっと追いかけていました。そのレースには彼も出ていましたが、6号艇だったのでさすがにアタマはないだろうなと思って6号艇の2着流しと3着流しで40通りの舟券を買ったんですよ。
するとレースでは3号艇の上滝(和則)さんが1マークでうまくまくったところに田中さんがついていって③⑥になった。その時点で僕は、よし、もらった! と小躍りしました。しかも①⑥じゃなくて③⑥だから、これは相当つくぞとワクワクしましたよ。ところが、2周目のターンマークで上滝さんがちょっと流れたところを田中さんが差して何と⑥③になっちゃった。⑥が4着になって外れるのは仕方がないけど⑥③だけはやめてくれと、その時は本気で祈っていました(笑)。
結局レースは⑥③④でゴールし3連単が120通り中117番人気の5万1870円! 20年経った今でもあの時の悔しさは忘れられません。=つづく
(聞き手=清水一利)