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ボートレース下関 前編 「ヤングダービー」はファンでごった返していた

にぎわう唐戸市場

途中の唐戸市場でふぐの握りを味わう

 下関ボートへはJR山陽線下関駅から3つ目の長府駅下車、長府駅からボート場へは徒歩3分の至近距離だ。しかし、遠方から出かける人には車をオススメしたい。下関駅までは約10キロ、時間にして20分かかるが、途中にぜひ立ち寄りたいスポット、唐戸市場がある。

 下関はいわずと知れたふぐの産地で、ここ唐戸市場はふぐであふれていた。ふぐ刺しのセットなどはもちろん、クジラ、ノドグロ、クエなど、高級魚も並ぶ。市場では1個売りの寿司を食べることもできる。とらふぐの握り1貫300円。市場で食べるふぐの握りはオツなものだ。

 唐戸市場と道路を隔てたところには亀山八幡宮が鎮座している。 関の氏神さま、亀山さまとして親しまれている神社で、応神天皇、神功皇后などが祭られている。ここでは「勝守」を売っているから、下関ボートでの必勝を願ってバッグに忍ばせておくことをオススメする。

 市場前には、門司港に渡る関門連絡船と巌流島航路の桟橋もある。反対に市場の向こうは関門橋が長く伸び、そのたもとは壇之浦。どこにでもある海沿いのロードサイドなのだが、平家が滅亡した足跡がそこかしこにある。時間がある人は安徳天皇入水像を見るもよし、壇之浦の古戦場を見るもよし。

 下関は、幕末の薩摩、長州、土佐の合従連衡の現場であり、歴史的要衝の地でもあった。食も歴史もいっぱい詰まった観光名所なのだ。


必勝のお守りを売っている亀山八幡宮

ボート場は潮位の影響を受けないプール

 下関ボートはこぢんまりとしている。メインスタンドは1、2、3階の構成でコンパクトにできている。水面は瀬戸内海の海水だが、プールなので潮位の影響を受けない。バック側は建物もあるが、海が一面に広がり、のんびりして開放感は格別。

 1、2階は一般席、3階が指定席。外に出て大時計付近で選手を応援する親子連れ、カップルも多く、アットホームな雰囲気のレース場という印象である。

 BOAT KIDS PARK「Mooovi(モーヴィ)」はほとんどのレース場では屋内にあるが、ここは屋外もあり、砂場などで子供たちが遊ぶこともできる。レース開催時は子供たちでいっぱいになるそうだ。ファミリーで利用するファンが多いのだ。

 出かけた2023年9月24日は「プレミアムGⅠヤングダービー」の最終日。優勝戦が行われた。1階の特設ステージではトークイベント、歌謡ショー、予想会が連日行われ、卓球の五輪金メダリスト、水谷隼の卓球をやりながらのトークショーも大人気。場内は人でごった返していた。優勝戦に向け、熱気と歓声が高まる……。 (つづく)

 =峯田淳=