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コラム一覧へ戻る公開日
2024年03月11日
17:29
更新日
2024年03月11日
17:29
ちゃらんぽらん冨好さん(下) 息子が選手引退。63歳にして舟券を買えるようになった!
やっとこの日が来たか~! 舟券戦略は「逆は真なり」
ちゃらんぽらん冨好の息子でボートレーサーの祐真が、昨年12月に現役を引退した。若き33歳の思わぬ決断。これによって冨好は、63歳にして念願の舟券購入が可能となった。ルンルン気分で挑んだ勝負の行方はーー。
冨好 惨敗ですわ。去年の12月17日。イベントに呼ばれていた尼崎での女子戦で、初めて舟券勝負したんです。息子が引退したことで家族でも買える。やっとこの日がきたか~ってうれしくてね。自信があったのは1枠が魚谷香織で2枠が海野ゆかりの11R。格上の2人で鉄板だと思い、①②流しを1000円ずつ4点買うたら結果は③②⑥。なんと10万3860円の配当や。6艇しかないのにホンマにとれんもんやと、ボートの難しさを痛感したね。ボクはステージでの予想トーク会でよく言うんです。「そういえば同じ芸人のMr.シャチホコ君が言うとりましたで。『勝って偶然、負けて当然』と。だからみなさん、負けても気にすることありまへんで」って。
冨好の舟券の基本は穴狙い。ボートに精通しているだけに、独特の感性で高配当を狙う。
冨好 好きな戦略は「逆は真なり」。そのココロを3つのケースで説明します。まずは選手が午前と午後の2回走りになる一般戦の準優戦。午前中は6号艇など外枠が多く、ファンは「ここは無理せず遊びよる。準優の1号艇が勝負や」と推理する。でもボクは準優より、逆に午前中の6号艇に勝負をかけるんですわ。次に4コースのカドから大まくりのにおいをプンプンさせるダッシュ屋の選手。ファンは「こりゃ一気にのみ込むで」と読むから人気を集める。でもボクは、逆にこういう時こそ飛ばして買うんです。最後はファンに軽視される重量級の選手。でも体重の重い選手というのはハンディを克服するため、全速スタートを決めようと必死やからボクは必ず狙います。すべて「逆は真なり」。この戦術、意外とハマりまっせ。
冨好さんの舟券デビュー戦
レーサーのみなさん、こんないい商売ないですよ
ボートレースに深い愛情と情熱を注ぐ冨好。だからこそ選手たちに訴えたいことがある。
冨好「こんなエエ商売ないで」と、声を大にして言いたいね。A級に届かないB1級の選手でも月に2開催ほど走って、それなりの賞金や手当を稼ぐ。われわれ吉本芸人なんか、オモロい子でもなかなか斡旋が入りませんねん。芸人の数も多いし、主催者の好みだってある。それに比べてボート選手は必ず斡旋が入りますやろ。恵まれてますよ。だから暇な時ほど時間を大切にし、ファンや同僚に思いをはせる。そして懸命に練習する。真摯にボートと向き合う選手でいてほしい。ホンマ、こんなエエ商売ないんやから。
冨好の魂の叫びはボート界全体にも及ぶ。売り上げは右肩上がりを続け、若年層&女性ファンも飛躍的に増えた。そんな時代だからこそ冨好の提言は心に響く。
冨好 本場に足を運ぶファンを大事にしてほしいね。ひと昔前と比べたら今は選手とファンの距離が近づき、垣根がなくなりつつある。その起爆剤となってるのがイベントです。たとえばユニークキャラで知られる西山貴浩(福岡支部)のように、選手とファンが一体となって盛り上がる催しをどんどん仕掛けてほしい。ネット投票はもちろんドル箱。でもネットが苦手で本場へやって来るファンは、昔からボート界を支えてきた人たちなんです。イベントをやったら彼らは小走りでステージにやってきて、腹の底から楽しんでる。そういうファンを大切にしてほしいと心から思いますね。
冨好は現在、2本のレギュラー番組を抱えている。ラジオ大阪の「Hit&Hit!」(月曜日午後2時~)、ベイFMの「友近のシン・ラジオ」(金曜日午後4時~)。
冨好 歌やボクの趣味の野球、マラソンの話など盛りだくさん。日刊ゲンダイの読者の皆さま、オモロいからぜひ聴いてや~。 =おわり
(構成=長浜喜一)
▽本名=冨好 真(とみよし・まこと) 1960年、兵庫・尼崎市生まれ。79年に大西浩仁(現・幸仁)とちゃらんぽらんを結成して人気を博し、2008年の解散後はピン芸人として漫談など幅広い分野で活動中。吉本興業所属。