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ボートレース常滑 前編 三重・津ボートからフェリーに揺られながらの旅打ち

スリル満点の高速フェリー

常滑駅までの車窓からレースが見られる

ボートレース常滑 


 常滑ボートに出かけたのは昨年暮れの12月17日。ルーキーシリーズの開催5日目だった。

 前日は津ボート「第15回鳥羽一郎杯争奪戦」の初日に出かけ、翌日、対岸の常滑へ移動しての旅打ちコース。三重の津から愛知方面にはセントレア(中部国際空港)に行く高速フェリーが出ている。津エアポートラインという。セントレアまで所要45分。ものすごい速さだ。当日は強風が吹き荒れ、フェリーは大きくうねる波を砕いて突き進み、上下左右に揺れ、スリル満点だった。

 セントレアから常滑駅へは名鉄空港線で2駅。常滑ボートの公式HPのアクセスガイドには名古屋から名鉄を利用するルートと、セントレア経由のルートが紹介されている。常滑に対岸の津からやってくるボートファンも多いのだろう。

 セントレアから常滑駅まで電車からの景色は情緒がある。電車はボートレース場のピットの裏側を通る。車窓からは1マーク方向に向かって走るボートを見ることができ、ボートレースにやって来た! と実感する瞬間だ。駅からは歩いて数分だが、無料バスも走っている。

 事務所のスタッフに挨拶すると場内を一通り案内してくれた。海水の水面は自動制御されて潮位は変化しないが、1マーク方向から伊勢湾の強烈な風が吹く。バック側の1マーク寄りのコーナーから、メインスタンドにかけて、グルッと覆うグリーンのネットが風よけで張られている。

 水面は1マークのブイがメインスタンド寄りに一直線に斜めに切られていて、バック側が広々としている印象。この癖がレースにどう影響するかわかるまで、ある程度の年季が必要かも。


潮位に変化はないが、問題は風

改修されたスタンドはコンパクトで動きやすい

 この日も7メートル前後の向かい風が吹き、安定板をつけてのレースになった。安定板とはモーター部分につける道具のこと。U字形をした40×15センチ、厚さ4ミリほどのアルミ板で転覆などの事故防止でつけられる。安定板をつけると、一般にインコースが有利になるといわれる。

 安定板をつけるような天候の時はレースは通常の3周から2周に短縮される。常滑もこの日は5Rから2周に変更になった。舟券の推理はいつもより難解と覚悟する。

 先に場内を案内してもらうと、ボートレース場ならではの施設が充実している。子供たちの遊び場「Mooovi(モーヴィ)」があり、地域との交流のための施設「グルーン」も。

 この日は地元の食材や工芸品を販売する「とこマルシェ」をやっていた。家族連れで来ても一日中、過ごすことができる。

 スタンドは2021年に改修された。コンパクトにまとまっていて、1階、2階とも同じエリアが一般席になっていて、2階右側に有料席のトコタンシートS席・A席・グループ席がレイアウトされている。

 各地のレース場に行ってみると、フロア構成が結構複雑だったりして、ウロウロしてしまうことも多いが、常滑はわかりやすくて、歩く距離も少なくて済みそうである。 =つづく

 (峯田淳)