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みんなのボートレース学校⑦ 買わないほうがいいのか? フライング持ち選手

スタート練習するレーサーたち=三国

0・01秒の差で天国と地獄の分かれ目

 初心者が舟券を買うとき、いくつものチェックポイントがある。狙う選手がスタートが切れているか、あるいはフライング(F)持ちではないかどうかも大きなポイントだ。

 フライング持ちの選手は割り引いて考える必要がある。スタートで出遅れることが往々にしてあるからだ。

 どうしてなのか? この際、フライングの仕組みとその怖さを頭にたたき込んでおこう。

 ※ ※ ※ 

 ボートレースのスタートは独特だ。ヨーイドンでスタートを切るほかの競技と違って、加速しながらスタートラインを通過していく。これが「フライングスタート方式」と呼ばれるものだ。

 この方法が採用されている理由は、そもそもボートにはブレーキがなく、水面上で静止することができないからである。

 ボートレースではピット(水面上でボートを係留しておく場所)から出た選手は自分がスタートしたいコースに入り、その後、スタートタイミングに合わせて助走を開始することになっている。そして、大時計の針が0秒を指してから1秒以内にスタートラインを越えるか、あるいはボートの一部分がラインにかかっていなければならない。そして、これより早いと「フライング」、遅いと「出遅れ」となって、どちらもその時点で失格となる。

 ボートレースでは誰よりも早くスタートを切り、第1ターンマークをトップで回った選手が断然有利になる。しかし、だからといってスタートを攻めすぎるとフライングの危険があり、その点は、まさに紙一重といってもいい。選手にとってはわずか0・1秒、いや0・01秒の差が天国と地獄の分かれ目になってしまう。

 地獄=フライングをしてしまうと、選手にはペナルティーが科せられる。そして2回、3回とフライングを重ねると、ペナルティーは格段と厳しくなる。それゆえ、フライング持ちの選手はどうしてもスタートに慎重になり、出遅れる原因になってしまうのだ。

 では、ペナルティーとはどんなものなのか? (つづく)