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みんなのボートレース学校⑧ フライングのペナルティは重いの?

スタートも見どころのひとつ(多摩川)

 先週まで戸田ボートで開催された今年初のSG「クラシック」。見事な差しで優勝した毒島誠選手は実はフライング持ち。毒島選手だけではない。王者・峰竜太選手も、その峰選手を11Rで破った遠藤エミ選手もフライング持ちだ。

 それくらい攻めのスタートとフライング(F)は紙一重ということなのだが、怖いのはペナルティーだ。

 フライングをした選手には以下のような厳しい罰則が科せられる。

●1回目…30日間の斡旋停止

●2回目…60日加算

●3回目…90日加算

●4回目…180日加算

(回数のリセットは前期・後期の階級決定期間初日に当たる5月1日、11月1日の年2回)

 つまり、半年の間にフライングをすればするほど出場停止期間が増えてしまうわけで、レースに出られなければ当然のことながら収入はゼロ。そのため、選手にとっては死活問題となってくる。

 アウト屋としてファンに人気の阿波勝哉が、F3を切ってしまって無収入となった半年間、工事現場で日雇いのアルバイトをしながら生活していたというのは有名な話だ。

 また、昨年4月からグレードレース(SG、G1、G2)の準優勝戦、優勝戦でのフライングに対する罰則が強化された。例えばSG戦の優勝戦のフライングは従来の1年間から2年間、準優勝戦は従来の4節間から1年間、その後のSGは走れないこととなった。

 ここ数年グレードレースでのフライングが増えてきたことの防止策だろうが、一流選手にとっては、これも天国と地獄の話である。

 フライングのペナルティーが厳しいのは言うまでもない。フライングが発生すると、該当選手はその時点で失格となるばかりか、関係した舟券はすべて返還となる。ファンに迷惑がかかるだけではなく、レースの主催者にも大きな損害を与えるためである。

 フライングは選手にとって、何よりも怖い。とはいえ、怖がりすぎて果敢なスタートが切れなければ、勝利は見えない。この心理のせめぎ合いも加味しながら、レースの展開を推理する――それがまたボートレースの醍醐味ともいえよう。