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ツヨカワ女子レーサー直撃 小芦るり華さん 後編 猫10匹と同居 最終日になると早く帰りたくてソワソワしちゃう

〝こつぶ〟と

プロペラのこと、メチャクチャ教えてもらいました

 デビュー1年目にして1年間、レースに出場できなくなった小芦を支えてくれたのは佐賀のA1レーサー、宮地元輝選手だった。

「師匠の宮地さんが私の背中を押してくれたことは大きかったですね。練習に何度も来てもらったし、プロペラのことをメチャクチャ教えてもらいました。休んでいた1年間はレースを走っている同期には経験では追いつけないけど、知識の量は負けないくらい増えたと思います。休んだことがよかったとは思いませんし、でも、休んだから今がある。それもこれもすべて師匠のおかげです」

 復帰戦は2017年10月の丸亀ボート。

 初勝利の水神祭は18年3月の下関ボートだった。地力をつけ、徐々に“ツヨカワ”レーサーの本領発揮。22年5月には地元唐津で初優出、同年8月には丸亀でGⅠ初出走を果たした。そして23年1月、徳山でGⅢオールレディース初優勝、同年8月には津のレディースチャンピオンでGⅠ初勝利を飾った。

「GⅢで初優勝した時はうれしいというよりはホッとしました。A級に上がったけど、初優出には全然遠かったし、周囲からそろそろ優勝できるよと言われてもなかなかうまくいかなくて。徳山で優勝した時はまだお正月で、いいことがいっぺんにきたみたいな感じでした」

 ランクは21年後期にA2、23年後期にA1に昇級。現在A2。

 

〝えむ〟と(本人提供写真)

目標はA1復帰。そして年末のクイーンズクライマックス出場

目標のひとつはA1に復帰することだ。

「去年の後期、A1になった時はフライング休みがかぶって、A1レーサーとして走る期間がすごく短かった。また戻って周年(GⅠ)を走らせてもらい、刺激を受けたい。ただ、今年は調子も去年ほどじゃなく、どこか噛み合っていない。でも、今年は始まってまだ3カ月なので、最後によかったと思えるように頑張りたいと思います」

 それから年末のプレミアムGⅠクイーンズクライマックス出場だ。

「クイーンズクライマックスに出るにはまずはGⅡレディースチャレンジカップに出て年末の12人に入ることです。去年は出場を逃したので、今年は11月の下関のレディースチャレンジカップに出たい。昨年はクイーンズクライマックスシリーズで仲よしの西橋奈未さんが出て優勝しています。西橋さんの活躍に続きたいと思っています」

「SGにも出てみたいけど、もっと実力を上げてから『出たい』と言えるようになりたいです」

 昨年の獲得賞金は2650万円だった。

 118期の同期の仲よしは板橋侑我、3月のSGクラシックで優勝戦3着の宮之原輝紀ら。

「板橋とは訓練所に入った時に机が横で、隣同士でよく話をしていました。訓練では器材整理の掃除当番を一緒に担当したり、一緒に行動することも多かった。LINEも交換しているし、インスタにコメントしてくれたりします」

 119期の西橋とは遊び仲間だ。

「レース先でバイクを借りて一緒にツーリングしたこともあります。最近は、一緒のレースがなかったり、休みがかぶらなくて行けてませんが……」

 本紙で西橋選手の愛猫家ぶりを伝えたが、小芦も大の猫好き。

「動物は保育園時代から飼っていました。以前は犬を2匹飼っていて、私が選手になった1年後に母が家を建ててからは猫を飼っています。10匹いるんですよ。私一人で面倒をみるのはとても無理。レースでいない時は母と姉に面倒をみてもらっています。レースの最終日になると、早く帰って猫に触りたくてソワソワしてしまいます」

 (峯田淳)