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みんなのボートレース学校 ⑬ 舟券作戦に大切な部品交換 後編

整備風景 ©boatrace

買える交換、買えない交換の境界線


 前回、選手がモーターの性能をアップさせたり、特徴(出足型・伸び型・回り足型)を出そうとして交換する部品について説明した。今回は、舟券作戦に生かすために、その部品交換をどう考えたらいいのかを検討してみたい。

 まず第一に知りたいのは、よく言われる「部品交換をした選手は買えない」という話は本当なのかということだろう。

 たしかに、勝率のいいモーターを引き当て前検日からいいタイムを叩き出している選手は部品交換による調整をほとんどしないといってもいい。また、調整するにしても今はプロペラが中心の選手が多いので、部品交換をすること=モーターが良くないからと考えても決して間違いではない。

 ただし、モーターそのものは悪くないとしても、ピストンリングやピストンを交換する選手もいる。直線のスピードを重視した伸び型から、スタート時のダッシュ力を高める出足型に変えたり、回り足を強めて素早くターンマークをクリアできるようにするためだ。これらは交換が容易であり、しかも比較的すぐに結果が出やすい。

 また、ガソリンと空気を混ぜた霧状の混合気をモーターに噴射するキャブレターの交換は燃焼効率をアップさせ、モーターの性能が変わってくることがあるし、電気一式を交換することでシリンダー内の点火効率が高まり、結果的に燃焼効率とモーター性能が上がることもある。

 したがって「部品交換をした選手は買えない」とは一概に決めつけることはできず、部品交換後の展示航走をしっかりチェックして判断することが大切である。

 しかし、中にはこれをやったら割り引いて考えたほうがいいという部品交換もあるからしっかり覚えておきたい。

 例えば、クランクシャフトやシリンダーケースの交換は相当大がかりな作業が求められるため、選手はできることならやりたくないと思っている。それにもかかわらずあえてやるということはモーターの状態がかなり悪いことが考えられるので、舟券の対象から外して考えたほうがいいかもしれない。

 ほかにも、いっぺんに3カ所以上の部品交換をしている場合も相当に状態の悪いモーターだと判断していいだろう。