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ビギナーのエンジョイボート挑戦記⑤ 初めて一人でやって来たSG優勝戦

風が出てきて荒れそう

直前の11R。大本命の峰竜太選手が消えた

 3月20日、春分の日。僕はボートレース戸田に向かっていた。

 翌朝10時締め切りの原稿が1本あったような気がしたけど、大丈夫、まだ慌てる時間じゃないと自分に言い聞かせて埼京線に乗り込み、現場に到着。お目当てはもちろんSGボートレースクラシックの優勝戦だ。

 なにせ、開催4日目にも戸田に行ったのだけど強風のためレース途中で中止という憂き目に遭い、まだこの目でクラシックの戦いをじかに見ていない。加えて、タダでは帰れないとばかりに買った他場の舟券がボロ負けだったことも含めての「リベンジ戦」だ。ちなみに一人でボートレース場に来たのは初めてだったりする。

 やや緊張気味に場内を散策しながら、今回もスマホのゲンダイボートレースWEBを片手に優勝戦の予想を開始。

 ただ、気になるのが天気だ。またも風が強まってきただけでなく、雨まで降ってきた。その影響か、11Rでは人気の1号艇・峰竜太選手が6着に敗れ3連単393倍の大穴だったのだ。


購入した優勝戦の舟券

ならばと、手広く16点買いで、いざ勝負!

 なんだか優勝戦も波乱のニオイがしてきたぞ……と思っても、どう荒れるのかが今の僕にはまるで分からない。となれば、やはり頼りになるのは1号艇、開催3日目から3連勝中と好調のベテランSGレーサー・吉川元浩選手しかいない。

 相手筆頭には、3日目12Rで4コースから1号艇の峰選手を豪快にマクった足が印象的だった宮之原輝紀選手を指名。同じ4号艇なら再びやってくれると期待して、買い目は①―④―全、①―全―④。さらに宮之原選手がマクり切った場合も想定して④―①―全、④―全―①も追加購入し、合計16点で勝負だ。

 強風がやまないまま迎えた運命のスタート。目の前を猛スピードで駆けていく6艇に向けてファンからは「行け!」と大きな声援が飛ぶ。そして、勝負の第1マーク。6選手がターンを決めた、と思ったその瞬間、スタンドは悲鳴にも近い大絶叫に包まれた。なんと、吉川選手が転覆してしまったのだ。

 まさかSGの優勝戦、しかも1号艇が転覆なんて……そして3連単の配当は377倍、またまた大荒れでビックリだ。

 それにしても初のSG観戦は信じられないことの連続。舟券がハズレっぱなしだったのは痛かったけど、ボートレースの奥深さにも触れたような気がして、ますます深みにハマってしまいそうだ。=つづく= 

 (森永淳洋)