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ビギナーのエンジョイボート挑戦記⑦  名物予想屋の〝漫談〟を聞くーーこれもボートレースの醍醐味!?

聞いているだけも面白い「金ちゃん」

「どうしても紹介したい人がいるんだ」

 ボートレース場には一段高いボックスに立って、出場選手やモーターの特徴、レース展開などを解説しているおじさんがいる。そして、それを聞いているお客さんがボックス台の上に100円を置くと、おじさんは無言で1枚の小さな紙をスッと手渡ししてくる。

 なんだか怪しい取引現場に立ち会ってしまった気分だが、このおじさんたちは「予想屋」と呼ばれるボートレース場公認の人たち。全く怪しくないどころか、名物になっているくらい人気の予想屋さんもいるくらいだ。

 4月25日、日刊ゲンダイの清水記者に誘われて行った平和島。「どうしても紹介したい」と会った人こそ、当地名物の予想屋「金ちゃん」だった。

 この金ちゃん、まず声が大きい。そのよく通るデカい声で話す内容といえば、もちろん先に挙げた通り選手の調子、モーターの良し悪し、展開……なのだけど、だんだんとヒートアップしてくると真偽不明な選手のプライベート情報など、もはやレース予想というより漫談になっている。

 また、それに常連客が乗ったり、突っ込んだりするものだから金ちゃんの話は終わる気配がない。

 

うー、惜しい

予想を買ってみた。本当にマクリが決まったが……

 うん、聞いている分にはすごく面白い。だけど違う、僕は漫談を聞きに来たのではない。知りたいのは舟券の予想だ。

「締め切り5分前」のアナウンスでようやくわれに返り、慌てて100円硬貨を差し出して金ちゃんの予想を購入。そこに書いてあった第3Rの買い目は④―③―①⑥、③―④―①⑥、④―①―③⑥の計6点。せっかくなので、そのまま買ってみた。

 いざレースがスタートすると、金ちゃん本命の④がトップスタートを決め1マークでマクリ成功! この瞬間「来たー! 金ちゃん、凄い」と僕も大興奮。そして2着争いも①②⑥が横一線。④①⑥で決まれば23倍だ。だが、2周目で①が早々と脱落してしまい④②⑥の態勢で決着。あぁ~……。

 金ちゃん予想は惜しくもハズレに終わったが、それでも好配当まであと一歩。さすが名物予想屋、話が面白くて買い目も鋭いとなれば、人気があるのもうなずけます。

 読者の皆さんも平和島に行った際には、ぜひ予想屋「金ちゃん」を訪ねてみてはいかがでしょう。とにかく面白いおじさんですよ。時にはコンプライアンス的にアウトな過激トークも飛び出しますが……。 =つづく=

 (森永淳洋)