COLUMNコラム
コラム一覧へ戻る公開日
2024年05月23日
18:32
更新日
2024年05月23日
18:58
ビギナーのエンジョイボート挑戦記⑨ 「負けたって、また明日があるじゃないですか」

さあ、来てくれよ。18点で勝負 1
師匠のたくましさに救われた僕
4月25日の平和島もとうとう最終レースを残すのみとなった。
この日は朝から師と仰ぐ清水記者、ボートレースWEB担当氏ら日刊ゲンダイの皆さんと名物のペラ丼を食べ、予想屋「金ちゃん」の漫談のような予想を聞くなどたっぷりと遊び……いや、仕事をして大変忙しい(楽しい)一日になった。だが、肝心の舟券がたったの2レースしか当たっていない。しかも配当は7Rの790円と11Rの690円。
これは公営競技の“払い戻しあるある”だが、3ケタ配当だと100円、10円硬貨でジャラジャラと出てくるから額の割に財布がパンパンになる。そうじゃない、僕は万札と言わずともせめて1000円札で財布をパンパンにしたいのだ。
ただ、ここ平和島は「日本で一番難しい水面」(金ちゃん)、「1マーク地点のコース幅が狭いから1号艇は乗り難しい」(清水記者)と達人が言っていた通り、この日はここまでの11レース中で1号艇が勝ったのは2回のみ。本来5割程度あるはずの1号艇の勝率がこれでは、初心者の僕には手も足も出ない。
こうなったら頼るのは自分の薄い知識と勝負勘ではなく、平和島のヌシの買い目しかない!
というわけで、師匠の清水記者に「最終は何買えばいいですか?」と、ド直球を放り投げて聞いてみた。
すると、予想屋よろしくスッと1枚のマークカードを手渡してきた平和島のヌシ。何も塗られていない。自分で考えろってことか? いや、裏返すと①=⑤―全、⑤―⑥―全と書かれていたのだ。
師匠、ありがとうございます!
さらに金ちゃんの②軸予想を足して、合計18点、全乗っかりで勝負だ。
そして、運命の最終レースがスタート。1マークで①が逃げを決め、インから②が差して①②の態勢。いや、まだだ。⑤も真ん中から伸びてきている。2マークでどうにか逆転ならないか……ならなかった。結局①②⑤で3連単は1030円。完敗だ。ガクッ……。
一人スキップで足取り軽いWEB担当氏とは対照的に、一歩一歩が重い清水記者と僕。
「森永さん……」
「はい……」
「また明日もレースがあるじゃないですか(ニコッ)」
ああ、なんてたくましい。そうだ、レースは今日で終わりじゃない。明日もあるじゃないか。そんな仏様のような清水記者のニコニコ顔を拝みながら、明日もせっせと舟券修業を続けようと誓った僕だった。=つづく=
(森永淳洋)