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このレース場の攻略法 宮島 向かい風なら③か⑤ 追い風なら②コース

ホームラン!

波乱を呼ぶ風と干満差

 世界遺産・厳島神社の大鳥居が目に飛び込むボートレース宮島。全国屈指の景観を誇るレース場だが、舟券戦略となるとなかなか手ごわい。風向きと潮の干満によって攻略法がガラリと変わるからだ。

 まずは風向き。夏場は向かい風、冬場は追い風基調で、どちらもインの勝率に大きな差はないが、他艇の出番は大きく変わってくる。向かい風なら3、5コース、追い風なら2コースの勝率がアップするデータがあるのだ。これをしっかりと頭に叩き込んでおきたい。

 そして全国トップの潮の干満差。季節によって干潮、満潮の時間は異なるものの、午前と午後では最大4メートルに達する。これだけ潮の満ち引きがあると、朝のスタート練習とレース本番では大時計など選手から見る景色が全く違ってくる。

 これがスタート勘を狂わせ、波乱を引き起こす要因となるわけだ。

 大阪・営業担当のボート君。6月のGⅠ宮島チャンピオンカップ開催の表敬訪問をした際、この攻略法をもとに舟券を買って大ホームランをかっ飛ばしてみせた。

 風向きは向かい風。「ということは3コースの池永太、5コースの片岡雅裕か。片岡はサーファーやから体幹が強いぞ。よっしゃ。運試しや」と実に32点張りで勝負した(写真)。

 レースはスタートラインで飛び出した片岡が体幹を生かした鋭角ターンで1マークを先取り。2着に⑥がつけ、3着争いは③④の熾烈な争いの末、③が競り勝った。3連単⑤⑥③で2万760円の万舟だった。

 それなのにボート君はどこまでも欲どうしい。

「クソッ。⑤⑥④なら2万9790円。9000円も損したわ」

 とはいえ、帰路の新幹線でもみじまんじゅうをつまみながら、ご機嫌で缶ビールの栓をプシュッと鳴らしたのだった。