• TOP
  • コラム

COLUMNコラム

コラム一覧へ戻る

予想屋ホンネ座談会④ 住之江 一番ツライのは来場者の減少

左からでんちゃん、山上社、住之江情報、日報

電話投票では水上の格闘技の迫力が味わえんよ

 1枚100円のメモで生計を立てる予想屋にとって、ボートレースの魅力はどこにあるのか。ファンへ、選手へ、ボート界へ。ホンネ座談会の最終回は、予想屋の魂の叫びが繰り広げられた。


でんちゃん(以下=でん) 今はケータイひとつで何でもできる時代や。情報の入手、予想の印、買い目、そして舟券購入とな。昔は本場に来なければ勝負できなかった。来場者は減り、通路にズラ~ッと数十軒も並んどった売店、食堂はもう数軒しかないわ。

住之江情報(同=情報) そやな。便利になって、逆に現場が潤わない時代になってもうたよな。じゃあ、どうすればエエのか。いろいろと意見を出し合ってみようや。まずはファンに向けて。

日報 とにかく本場に来て生のレースを楽しんでほしいな。コースの奪い合いひとつとっても、選手の間で「どけ!」「どくか!」と迫力満点。水上の格闘技といわれるだけあって、まさに真剣勝負や。電話投票ではこの臨場感は味わえんよ。

山上社(同=山上) 気になるのはヤジ。もっときれいなヤジを送ってほしい。言葉にできないほどの汚いヤジが飛ぶと、せっかく本場に来た若い子や女性の足が遠のいてしまう。舟券を外して悔しいんやろうけど、聞くに耐えないヤジはアカン。

でん 次は選手に向けて。ワシは若手レーサーを叱咤激励したいな。大阪支部なら上條暢嵩、山崎郡、そしてデビューして1年半でA級に上がった石本裕武。どれも将来が楽しみな選手だけに、世代交代を目指して戦ってもらいたい。そうすれば活気づいて、自然とお客も増えるやろ。

情報 選手はみんな一生懸命やっとる。水面のあの狭いコーナーで6艇が激突するわけやろ。命がけで走っとるんや。だから業界に影を落とす悲惨な事故だけは、絶対に起こしてほしくないな。

山上 でも安全運転はアカン。お客にもっとアピールする走りをせんとな。パフォーマンスやなくテクニックで。切れ味鋭いスタート攻撃や、水しぶきをあげる豪快なモンキー、高速ウイリーターンはファンの楽しみでもある。ぜひ腕を磨いてほしいわ。

「女子戦を充実させて」と語る日報

〝プロ〟たちはボート界に何を望んでいるか

でん じゃあ最後にボート界に向けて。ワシは現場に来るお客を大事にする策を講じてもらいたいな。売店、食堂は少ないわ、たばこは隅っこで吸わなあかんわ。ギャンブル場やないみたいや。

日報 オレはオール女子戦を充実させてもらいたい。業界の売り上げもいいし、メモも売れる。今はヴィーナス、GⅢ、GⅡ、プレミアムGⅠがあるけど、もっといろんな企画レースを組んだらいいと思う。男子に比べて安い賞金額も上げてやってほしいな。

山上 ボクは選手への規制が多いと思う。事故対策はわかるけど、待機行動違反とか不良航法とか、艇を相手にぶつけてスピードを奪うダンプの禁止とか。ボートの醍醐味を味わうためにも、もう少し緩和してほしいわ。

でん なるほどな。いずれにしろワシらの願いはボート界のさらなる発展や。そこに向けてボートにかかわるすべての人間が、一丸となって突き進んでいこうやないか。よっしゃ。これでお開きとしよう。

――長い時間、お疲れさまでした。これからも元気に現役を続け、バンバン当ててお客さんを喜ばせてください。

一同 おうよ。ありがとうな、日刊ゲンダイ!

=おわり

(構成=長浜喜一)