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コラム一覧へ戻る公開日
2024年08月16日
21:35
更新日
2024年09月20日
14:39
イチ押し ツヨカワ女子レーサー 平川香織選手 24歳 大ケガから立ち直って一皮むけた期待の若手
初参戦のG1・第38回レディースチャンピオンで堂々の2勝
8月12日まで福岡で開催されたプレミアムGI「レディースチャンピオン」。出場選手中、24歳の平川は最年少だった。
「最年少のSGレーサーになる」の志を持ち、17歳でプロデビュー。しかし、現実は甘くない。2018年5月22日、戸田でデビューしたが、5日目第2Rでは、コンマ12オーバーの非常識なFに散った。
未熟な自分を磨くため師匠を探し始めた。そして地元埼玉のエース桐生順平に弟子入りを頼み、1度は断られたが、何度も頼み込んだ。その熱意に折れた桐生から弟子入りを認められ、細かいテクニック、操縦の仕方、レースでの心構えなどを学んだ。そして19年8月25日の唐津第8R。181走目でようやく水神祭を飾った。
その後は勝率を順調に上げていったが、思わぬアクシデントが平川を襲う。
21年5月9日江戸川8R。2番手を走っていたが、2周2M引き波にはまり落水し腰を強打。日常生活もままならない状態が続いたため手術を決意した。
「絶対にレースに戻る」の強い信念でリハビリに専念。10月下旬の蒲郡で復帰するが、精神的な不安や過呼吸などを繰り返す日々が続いた。翌年になってもその状態は治まらず「もうやめたい」と思うようになった。
悩み、苦しんでいることを師匠の桐生に相談すると「やめてもいいんじゃない」と言われ、逆に気持ちが楽になった。
その後3カ月近くレースから離れ普通の生活を送っていたが、「自分はこれじゃない」と思うようになった。桐生に「勝負の世界でまた頑張りたい」と伝えると、桐生は「お帰り」と温かく迎えてくれた。
大ケガをしたことで精神面で一回り成長。成績も着実に上向き3期連続A2。前期(23年11月~24年4月)は自己最高の5・95の勝率を残した。
今期(5月~)はFの影響もあり、勝率4点台と低迷するが、GⅠ初参戦だった福岡第38回レディースチャンピオンでは2勝を挙げ、準優に進出の大活躍。これで自信をつけるのは間違いない。
次走は昨年2優出(5月=4着、9月2着)と相性のいい浜名湖(19~24日)。期待のツヨカワの活躍が楽しみだ。