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コラム一覧へ戻る公開日
2024年10月10日
17:36
更新日
2024年10月10日
17:36
みんなのボートレース学校⑲ 20万円以上かかっているレーサーの装備品
身を守る装備品(23年暮れのグランプリを制した石野貴之選手)©boatrace
切れにくい素材でレーサーの体を保護
ボートレーサーは男子であれ女子であれ、さまざまな装備品で身を包んでレースに臨んでいるが、どんなものを装着しているのか意外と知られていない。一般的に選手が装備しているのは、
①ズボン
②カッパ(上下)
③シューズ
④カポック(救命胴衣)
⑤手袋
⑥プロテクター
⑦勝負服(ユニホーム)
⑧ヘルメット
が主なアイテム。この他、カッパの下に着るアンダーウエア、ズボンの下にはくスパッツ、靴下、規定の体重に達しない場合に使う重量調整用ベストがあり、各レース場で用意してくれるカポック、勝負服、重量調整用ベスト以外は全て自前で揃えることになっている。
レースにはボート同士の衝突やコーナリングのミスなどによる転覆や落水がつきものであり、選手は常に危険と隣り合っているといっていい。その際、最も危険なのがモーターのプロペラに巻き込まれることだ。そのため選手が着用する勝負服、ズボン、手袋、シューズには耐切創性を高めたケブラー繊維という切れにくい素材を使うことでレーサーの体を保護するようになっている。
さらに、レーサーにとって欠かせないのが頭部を守ってくれるヘルメット。これには普通のものとカーボン製のものの2タイプがあるが、カーボン製のほうが軽量でより丈夫なので、ほとんどの選手がこちらを使っているようだ。
ちなみに、選手の自前となる装備品の総額はズボン約2万5000円、カッパ(上下)約2万円、シューズ約4万円、手袋約5000円の合計約9万円の他、靴下、アンダーウエア、スパッツなどのこまごましたものを加えれば約10万円。さらに、ヘルメットはカーボン製ともなると12万~15万円ほどもするので、それもプラスするとなるとかなりの額になる。しかも、ヘルメットは3年、ケブラーの入ったズボンや手袋などは8カ月の使用期限があり、それを過ぎたものは使えないという規則もあるというから、レーサーの出費はバカにできないものがある。
しかし、万が一の事故の際、頭の先から足元まで体中を守ってくれると考えれば安いもの。レーサーにとっては必要経費といえるのだ。