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ビギナーのエンジョイボート挑戦記㉟ アタマは倉持莉々選手だ 多摩川「ヴィーナスシリーズ第17戦」優勝戦

ツヨカワの倉持選手

10年前のルーキー時代から縁あって応援。ついに勝負の時が来た!

 富樫麗加選手と同じく、過去の取材をきっかけに密かに応援している選手がいる。倉持莉々選手だ。

 今からちょうど10 年前の5月。デビュー1週間前のピカピカのルーキーだった倉持選手に話を聞く機会をいただけた。高校時代に水球日本代表としてロンドン五輪予選を戦ったことや、大病を乗り越えてボートレーサーになったことなど。その半生を聞いた時点でもう僕は近所のおじさん気分で「よく頑張ったね。プロになっても応援するよ!」と感情移入しまくりである。

 そして、倉持選手の話と同じくらい印象に残ったのが、当時の日本モーターボート競走会の広報さんの話。いわく、「今日初めて倉持の走りを見ましたが、すごく才能を感じます。バランスが特に素晴らしい。良い選手になりますよ」。

 ただの広報と思うなかれ、この人はやまと学校で教官を務めていた経歴の持ち主。つまり、新人レーサーを山ほど見てきた人だけに説得力が違う。そして、その予言通り倉持選手は後にA1にも昇格し、昨年5月のSGオールスターでは優勝戦3着と大躍進を遂げた。

 そんな倉持選手の産休明け3節目となったのが11 月13 ~18日に多摩川で開催されたヴィーナスシリーズ第17戦。その前節ですでに優出を決めて2着と早くもエンジン全開。今節も予選、準優と突破し、4号艇での優勝戦進出とブランクを感じさせない好調ぶりを見せている。

 しかも優勝となれば地元・多摩川では初というのだから、これはアタマで買うしかない!

 相手には今節のイン戦では隙がない①小野生奈選手、前々節の初Vから勢いに乗っている②勝浦真帆選手、そして期待の新鋭⑤清水愛海選手を絡めて、④―①②⑤―全でどうだ!

 レースはカドからインに切り込んだ倉持選手のマクリ差しが入ったか……と思ったが、トップスタートを決めた小野選手にはわずかに届かず2着。結果は①④③1690円だった。うーん、惜しい!

 残念ながら産休から復帰後&多摩川での初優勝はお預けとなり、僕の舟券も無残に散ってしまったが、それでも優勝戦は納得の好レース。そして今節も3勝・2着6回の大活躍だった。

 今後も推しレーサーの一人、そして舟券で頼りになる選手の一人として、倉持莉々選手を応援していきたい。 =つづく

  (森永淳洋)