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コラム一覧へ戻る公開日
2025年02月13日
14:06
更新日
2025年02月13日
14:06
みんなのボートレース学校㉑ ニックネームから名レーサーたちの伝説を覚える

〝モンスター〟野中和夫選手
ボートが一段と楽しくなる近道。あの横山やすしの盟友も
レーサーのニックネームを覚えることは、その輝かしい戦績や人柄を知ると同時にボートレース界の伝説や歴史に触れることにもなる。ビギナー同士のボート仲間と飲んだとき、ちょっとウンチクを披露してやれば、「お、すごいな」と見直されること確実だ。
☆ ☆ ☆
●艇王 植木通彦
1986年のデビュー以来モンキーターンの先駆者として一世を風靡、SG競走10Vを達成するなど90年代最強といわれた実績から「艇王」と呼ばれた。89年1月には事故に巻き込まれ顔面をプロペラで切り刻まれて75針縫う重傷を負ったが、半年後自ら事故に遭ったボートレース桐生を選んで復帰。そのことから「不死鳥」「フェニックス」と呼ばれたことも。
●絶対王者 松井繁
89年にデビュー後めきめき頭角を現し、当初は「艇王」植木に対する存在として「王者」と呼ばれたが、96年に笹川賞(現オールスター)でSG初勝利を挙げて以来12回の優勝を重ねると、いつしか「王者」を超える「絶対王者」と呼ばれるようになった。23年にはボートレース史上初となる生涯獲得賞金40億円を突破。今なお現役として艇界をリードする「絶対王者」はまだまだ健在である。
●モンスター 野中和夫
草創期の艇界で数々の大記録を打ち立てた史上最強のレーサーが野中和夫。SG通算17勝、期間最高勝率9・53はじめ、現役当時あった7つのSG競走を全て制覇する7冠グランドスラムを唯一達成している。6冠すら野中以外にはいない。そんな野中は、破天荒な言動で知られた漫才師横山やすしの盟友であり、野中自身も酒を愛し繁華街を飲み歩く姿をしばしば目撃された。行きつけのクラブのボーイに車のカギを預けそのまま車をプレゼントしたエピソードも野中ならでは。私生活も「モンスター」だった。
●グレートマザー 日高逸子
漫画「モンキーターン」の主人公・青島優子のモデルでもある現役最年長女性レーサー。幼くして両親が離婚、祖父母のもとで育ったが、小学生の頃から新聞配達や農作業のアルバイトを経験するなど苦労を重ねた。85年デビュー後は女子レーサーでは初めてモンキーターンを独学で体得するなど努力を続け次々とタイトルを獲得。その間、結婚。産休制度がない中での2度の出産、体調不良による入院などさまざまな苦難を乗り越え、獲得賞金は女子歴代1位の11億2470万円。まさに「グレートマザー」だ。
このほかにも「プリンス」今村豊、「貴公子」山崎智也、「ホワイトシャーク」白井英治、「艇界のタカラジェンヌ」海野ゆかりなどが有名だ。