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コラム一覧へ戻る公開日
2024年08月13日
16:15
更新日
2024年08月13日
16:15
みんなのボートレース学校⑰ 転覆した選手、次のレースで買ってもいい?
風や波で態勢を崩すボート
転覆してもエンジンは変更できず
猛スピードで6艇が競い合うボートレースではレースの展開によって選手が水面に落ちて失格となってしまうことがよくある。
ターンマークを回る際のスピードの出しすぎや他艇との接触で選手だけが水面の中に投げ出される「落水」。他艇とぶつかってボートが破損して起こる「沈没」。そして、よくあるケースが風や波でボートそのものがひっくり返って選手が水面に落ちてしまう「転覆」だ。
はたして転覆して失格となってしまった選手は次のレースで買えるのか。どこに注意して舟券を予想すればいいのか。
レースで使うエンジンとボートは抽選で同じ選手に1節間貸し与えられる。転覆したからといってエンジンを別のものに変更するということはない。そのため、選手は次のレースまでに整備マンとともにエンジンを分解し部品を洗浄して再び組み立てるという作業を行うが、組み立てる際のちょっとした微妙な違いでエンジンの性能が変わってしまい、それまでよかった出足が悪くなるといったケースも珍しくない。そこで、転覆した選手の次のレースはできれば舟券は控えて舟足の変化を見極めることが大切だ。
一方、ボートも基本的にはエンジン同様、転覆後も同じボートを使用することになっている。ただ、ボートが破損して修理できないような場合には新ボートに交換される。水を吸って重くなっていたボートが新しくなることで軽くなり、有利になるというメリットはあるものの、それほど大きなアドバンテージとはならないので重視は禁物だろう。
もうひとつ、考慮すべきことは選手の心理状態だ。ボートの最高速度は約80キロといわれるが、体感速度はそれ以上。それだけのスピードで走っていて転覆する時の選手の恐怖心は相当だ。それに打ち勝って、次のレースでも攻めていけるのかどうか。よほどハートの強い選手であれば逆張りの買いもありだが、常識的には転覆選手の次戦は様子見が無難だろう。