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 ボートレースライター 三吉功明さん② カリスマ舟券師、究極の格言「舟券は当たらない方がいい」

ハズれるから反省し、学ぼうとする。結果、長続きするのです

 長年データを取り続けてきた「愛券家」のボートレースライター三吉功明さん。今回は三吉さんならではの独特のボートレースの楽しみ方を聞いてみた。


 僕のいわゆる舟券術の根底はやっぱりデータですね。それが基本。データに関しては、この業界の中で僕が間違いなく一番やってきたという自負がありますからね。自分なりにいろいろと調べて、こういうのあるよ、こういう感じで買えば勝てる可能性があるよ、みたいなデータを幅広く見つけ出して、それを人に教えたいというのが根底にあるわけ。

 これは承認欲求にも似てるんですけど、僕の中で何かちょっといい人ぶったいい方をすると、誰かにありがとうっていわれるのが一番いい人生なんだろうなって思ったりしちゃうんですね。

 長年ボートの世界に身を置いて舟券を買い続けてきた僕ですが、最近特に強く思うことがあります。それは「舟券なんて当たらない方がいいに決まっている」ということ。僕がこんなことをいうと、みんなビックリするんだけど、舟券が当たったときって、もうただ当たったっていうだけで終わっちゃうんですよ。これに対して、ハズれたときってやっぱり悔しいから、何で当たんなかったんだろうって反省する。だから、ハズれるとステップアップすることができてハズれた数だけ学べるんですよ。

 僕は穴党なので、本命党の人に比べればハズれている回数は圧倒的に多いはずです。ということは、たくさんのことが学べて、その後いろいろなことを楽しめるようになるんですよ。

 でも、本命党の人は穴党よりもたしかに当たることは当たるけど、当たったときに考えることがないからそのうち飽きちゃってやらなくなるし、ハズれグセがないから当たらないと怒りしかなくなっちゃって、結局ボートレースから離れていってしまう。

 せっかくボートの世界に足を踏み入れたのに、楽しさを味わわないうちにやめちゃうなんてもったいないですよ。

 それに対して僕みたいにいつも穴ばかり買ってたら、いつまでも楽しいからずっとやめない。だから、楽しむという意味でいったらハズれたほうが絶対いい。

ハズれたっていいんだ!

10レースに1レース当たれば御の字

 ボートだけではなくて、競馬も競輪もオートレースもそうですけど、仲間と一緒に行って当たってもめちゃくちゃ祝ってくれる人なんか一人もいないんですよ。せいぜい「そう、当たったの、よかったね」っていうぐらい。

 でも、ハズれた場合ってそれなりに盛り上がるじゃないですか。「何だよ、今のレース。6号艇が勝つなんて信じられないよなあ」「まさか1号艇が逃げ切るなんて思ってもいなかったよ」とかいって、ハズれたほうが盛り上がるんです。その意味でもハズれたほうがいいし、たまに当たるぐらいがちょうどいいんですよ。10レースに1レース当たれば御の字だって、僕は本気でそんなふうに思っていますね。 

 =つづく

(聞き手=清水一利)


▼みよし・こうめい 1972年、東京生まれ。スポーツニッポン新聞社勤務、マクール副編集長を経て現在はフリーのボートライター。長年の研究から編み出した独自のボートレース必勝法は多くのファンに支持されている。