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ボートレースライター 三吉功明さん③ 穴党の金字塔 10年前の平和島グランプリ 茅原選手の⑥④①を仕留め、元手7000円が150万円に

300円、500円が跳ねて化けるから舟券は面白い

「愛券家」のボートレースライター三吉功明さんは言わずと知れた根っからの穴党派。第3回は三吉さんの「武勇伝」を聞いてみた。


 一般のボートファンの人は朝からレース場に行ったら12レース全部当てようって思って張り切るはずです。僕だってそうですよ。でも、全部当たるなんていう奇跡が起こるはずがない。そもそも1レース当てるだけだって大変なんですから。

 ただ、皆さんが自分なりに買い方を考えてレースに臨んだとすれば、仮に全部外れたとしても1日十分に楽しめると思うんですよ。ボートレースの楽しみ方としてはそれでいいんじゃないですかね。

 でも、ギャンブルとして考えた時に100円が3万円になったり、場合によっては1000円が100万円になったりする、つまり配当が跳ねるのは穴を狙うからで、インから買っていたら当たったとしてもそこまでの配当にはなりません。僕はこの跳ねる時がなかったら面白くないんじゃないかと、そう思います。大きな配当を手にできることがやっぱりギャンブルの醍醐味だと思うし、穴党にはそれができるんですよね。

 僕が今でも忘れられないのは今から10年前の平和島のグランプリ。茅原悠紀が大外の6コースから大マクリして勝ったあのレースで僕は初めて帯の払い戻しをゲットしたんですよ。その時、僕は仕事でピットにいて、3連単⑥④①が5万1680円もついたそのレースの舟券がポケットの中に入っていて、たしか⑥④①は3000円分買っていたはずだなと思ってはいたんですけど、何しろピットの中だから出して確認することができないし騒ぐこともできません。ずっとドキドキしていて仕事が終わった瞬間に隅っこに行って出してみたら、あったんですよ。

 僕の記憶が正しければあの時、300円、400円と何点か全部で7000円分しか買っていなかったのに、そのうちの1点、大勝負した3000円が150万円になっちゃったんだから我ながら驚きましたね。もう奇跡としかいえないですよ。

2014年暮れのグランプリ優勝戦をズバリ!

10万円も張って100万円にするのは邪道です

 ただ誤解しないでほしいのは、よくボート系のYouTuberで1レースに10万円だ20万円だって厚張りして帯取ったって喜んでいる動画を流している人がいますけど、僕にいわせればあんなのは邪道でしかない。一般のファンにはそんな買い方はできないし、僕も勧めない。

 普段は僕だって1点300円とか500円で買っていて、ここぞという時には2000円とか3000円入れるという、そういう買い方ですからね。

 それが時として跳ねて平和島グランプリのように3000円が150万円になったのは例外中の例外としても10万、20万には化けたりするんで、それを成功させるためには、やっぱり舟券というのは外れたほうがよくて、そもそも外れるものだっていう単純な考えを持ってなかったらなかなかそこまで行きつかないと思いますね。

=つづく

(聞き手=清水一利)

▼みよし・こうめい 1972年、東京生まれ。スポーツニッポン新聞社勤務、マクール副編集長を経て現在はフリーのボートライター。長年の研究から編み出した独自のボートレース必勝法は多くのファンに支持されている。